農水省品種登録情報 とちひめ とちおとめ 女峰 
はじめに わたなべいちご園では「とちひめ」を栽培して6年目になりますが、最近になって「とちひめ」についての問い合わせや、指名買いの方が多くなり、やっと認知と高い評価を得られるようになりました。そこで「とちひめ」という品種について、知り得る範囲での情報を提供したいと思いこのページを作ってみました。【2009/3/4】

「とちひめ」育成までの経緯 栃木県が育成開発した「女峰」は促成栽培の品種として、1980年代から全国的に栽培され、西の「とよのか」東の「女峰」といわれ、いちごを代表する品種として広く知れわたりました。しかし、品種の特性として、酸味が出やすい、冬期に大粒のものが軟弱果になり易い、収穫期中盤以降小粒が多く採れ、収穫、パック詰めに多くの労力が掛る。といった欠点を持っていました。そこで、栃木県では「女峰」の後継品種の育成を急ぎ、大粒で果肉がしっかりしていて甘く、耐病性に優れた何系統かを選抜し、現地試験等を重ねた結果、最も優れた系統として選ばれ、品種登録(1996年)されたのが「とちおとめ」で、現在栃木県では99%以上の作付となり、栃木ブランドとしてその地位を不動のものとしています。この選抜段階で「とちおとめ」に一歩及ばなかった系統の一つが「とちひめ」で、両親が同じ(栃の峰×久留米49号)ということで大粒で甘く、収量性も高いため、栃木県では品種登録をすることとなりました。(2001年)

栽培開始までの経緯 栃木県では栽培に向け種々検討を加えたようです。それらの詳細は分かりませんが、結論として、県内観光いちご園での栽培、それも、直売と摘み取りのみとし、市場出荷はしないということになり、県と生産者が許諾契約を結び、栽培のスタートを切ることとなりました。(2002年)

初めての栽培 わたなべいちご園では2003年春に苗の供給を受け、試行錯誤の栽培が始まりました。その年の生育状況等はこちらをご覧ください。いろいろと問題点もありましたが、優れた点も多く、徐々に作付面積を増やし今年で6年目約8,000株の栽培となっています。

現在の県内作付状況 2009年産では県内10戸の農家で栽培されていますが、面積は極めて少なく市場出荷はしないため、消費者が口にするのは難しい品種となっています。また、苗は種苗法の制約により販売することは出来ないことになっています。

品種の特性 栽培経験の中で私なりに感じた長所、欠点をあげてみます。

      長所 ・花数が少なく大粒のものが採れる。といっても全て大粒ではなく、中粒、小粒も採れる。
          ・果肉は赤く、酸味がないため甘みが強調される。
          ・独特の風味とジューシーさがある。
      欠点 ・果肉がやや柔らかい。そのため地方発送にはあまり適していない。
           (輸送過程で果汁が出ることがあります。)
          ・高温期に果皮の色が濃くなることがある。
          ・「うどんこ病」にやや弱い。

地方発送について メール、電話、ファツクスでの注文を承っていますが、上記のような特性(輸送にあまり適さない)を持った品種ですので、十分理解していただいた上での発送となります。なお、ご注文の際は品種名を「とちひめ」と明確に指定してください。価格等詳しくはこちらをご覧ください。

いちごがりについて わたなべいちご園では「とちひめ」のいちごがりは行っておりません。直売、地方発送のみとなっています。(来季以降実施に向けて検討中です。)
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「とちひめ」の品種特性で、特に大粒のものが採れる時期があります。写真は12月中旬のものですが、卵のLサイズより大きく、100グラム位ありました。
わたなべいちご園の人気商品「特選いちご・はこいりむすめ」は通常1パック15粒入りですが、時期により12粒や9粒入りのものが採れることがあります。
「とちひめ」は大粒のものが多く採れますが、すべて大粒ではなく中粒や小粒のものも採れます。
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