新品種「とちひめ」の栽培  
栃木県が品種登録した「とちひめ」が、今回県内観光いちご園を対象にして許諾契約を結び苗の提供を開始、「わたなべいちご園」でも苗の供給を受け、試作に踏み切ることとなりました。大粒でジューシー、甘みもあり収穫量が多く栽培し易いといった特徴のある品種で、観光いちご園限定のため市場流通することはなく、栃木県のエース「とちおとめ」とはすみ分けされるため、消費者が口にする機会は滅多に無い品種となりそうです。今回は「とちひめ」の生育振りを定期的にご紹介したいと考えています。

5月19日 「とちひめ」の今シーズンの栽培を終えました。作付け前から知らされていた特徴どおりで、大粒でジューシー、果皮の色が濃い、酸味が無い、果数が少ないといった生育振りでした。いちごがり用の品種として最適かどうかはやや疑問が残ったものの、素晴らしい品種であることは間違いないようです。


5月13日 例年になく暑い日の多いこの季節、茎葉は旺盛に生育していますが、「うどんこ病」や「オンシツコナジラミ」が発生してしまいました。いちごの実は数は少ないものの、結構大粒のものが採れますが、短期間で熟すため食味の低下は避けられず、決しておいしいとは言えなくなってきました。近々鎌で刈り取って片付け、今季の栽培を終えたいと考えています。


4月13日 昨日当地では24.9℃を記録、初夏の陽気となりましたが、今日は一転して冬を思わす寒さとなりました。この時期の「とちひめ」は色づきが早く、過熟気味での収穫となってしまい、果肉が軟らかいという欠点が少々気に掛かるようになってきましたが、「とちおとめ」に比べると日持ちは良さそうに感じています。


3月17日 まだ3月中旬だというのに20℃を越えた日が3日もあり、暖かい気候となっている。とちひめの生育も大分回復し新葉の展開も順調になりつつある。収穫量は少しずつ増えてきているが、花数が少ない品種なので急激な増加は無さそうだ。意外と実がしっかりしており、甘みも強く、食感、香りも悪くないので、上手に栽培できれば有望な品種なのかもしれない。


2月23日 収穫量が落ち込んだ状態が続いており、中休みとなっている。本来中休みが少ない品種ということだったが、他の品種同様昨年来の気象条件だと仕方のないことなのだろうか。果皮、果肉とも軟らかい品種特性なので、今後気温が上昇する時期に品質がどのようになるのか注目していきたい。


1月22日 12月上旬から1月中旬まで大粒のものが沢山収穫出来ていたが、この時期になり、収穫量が大分少なくなってきた。元来花数の少ない品種のためかもしれないが、この後どの程度の収穫量が確保できるか見守っていきたい。


12月17日 やっと冬らしい気候になってきていちごの品質も向上してきた。「とちひめ」の収穫量も増えてきて特徴もつかめつつあり、大粒の実で、酸味が少ないことが分かった。「とちおとめ」より栽培がし易そうに思える。


11月26日 暖かい日が多く、思いがけず早い色づきとなった。
大粒の品種というだけに、結構大きな実になっているが、高温で成熟日数が短いので、甘みや風味はどんなだろうか?
寒さが加わってくる12月中旬以降のほうが甘みが増すと思われる。


11月16日 10月下旬以降、きわめて暖かい日が続いていて、特に朝夕の気温が高く、いちごの生育が早まる傾向になっている。
10月下旬に開花した「とちひめ」は順調に肥大し、早いものは月末には色づきはじめそうだ。


10月26日 おおむね順調な気候が続いてします。ここにきてほぼ平年並みの気温になり、やや遅れ気味だったいちごも、早いものは開花してきました。株によるばらつきはあるものの、ここ一週間位で開花揃いになりそうです。


10月12日 秋分の日以降気温の低い状態が続いており、急きょ予定を早めて保温作業を開始し、昨日マルチング、ビニール張りの作業を終えました。株は大分しっかりしてきましたが、何せ初めての品種なので今後どんな生育をしていくのが細かく気を配っていくつもりです。


9月11日 連日の暑さは1ヶ月逆戻りしたようで、この夏一番の暑い日が続いています。「とちひめ」は今日定植をすることが出来ました。強い日差しと高温のため少々萎れがひどい状況ですが、株元を乾かさないよう潅水に気をつけながら活着の促進を図っていきます。


8月20日 親苗から切り離して約20日がたち、苗も大分しっかりとしてきました。この間若干の追肥を施しましたが、日照不足と低温のためか例年より「しっかり度」が低いように思われます。強い日ざしのもと、もう少しガッチリとした苗に育て定植を迎えたいものです。


8月4日 ピンで押えたランナーは約20日がたち根が伸びたところで親苗から切り離し独立させます。苗はベンチの上に等間隔に並べ、しっかりとした苗に仕上げていきます。潅水に気をつける他、古葉を整理したり、必要に応じ追肥を施したり病害虫の防除を行います。


7月17日 予定通り15日に苗取り作業を行った。9cmポットを使い小苗のところにポットを置き、専用のピンで押え発根させます。予想したより多くの苗が取れ一安心といったところです。

6月29日 品種の特性としてランナーの発生が少ないと聞いていたが、予想以上に発生してきた。出来たら全体の5%位の作付けを考えているが、現在の生育振りだと大丈夫そうである。
 
6月1日 栃木県が品種登録した「とちひめ」の栽培を手がけることになり3月28日に親苗を植え付け約2ヶ月が経過した。
当初、生育が停滞気味だったが、活着後肥料を吸収し、ランナーも順調に伸びてきている。
大粒で収穫量の多い品種なのでどんな実を付けるのか大いに楽しみだ。

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